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良いリード作りができる条件
【1】多くのリードを吹いて経験を積む
リード作りは、初心者には難しいところがあります。 たとえば、篳篥を習い始めて、やっと越殿楽や五常楽が演奏できるようになったとしても、リードを1本か2本くらいしか使ったことがないならば、どんなリードが良くて、どんなリードが悪いかという判断はできないでしょう。そうした判断力は、練習で使用した(壊した)リードが多ければ多いほど、身に着きます。 少なくとも、たくさんのリードを吹いた経験があればあるほど、良いリードは分からなくとも、鳴らないリードや悪いリードの判断は自然にできるようになります。そういう人がリード作りを始めると、自分では知らず知らずのうちに、経験から来る判断力で、良いリード・良く鳴るリードを作ろうとします。 手付け程度は覚えているから、講習を受ければリードがすぐできるというものではないのです。講習会を受ける前の各自の経験度がどれだけあるか、判断力をどれだけ持ち合わせているかということが重要になります。 手付け・音階名と音程・テンポや塩梅・メグリ・メリ・ハリ・アテ・オシなど、篳篥の独特の音の動きを生み出すリードですから、そうした技法を十分に出し切ることのできるリードが良いリードであると分かるようになります。 【2】音程が良く大きな音の出せるリードを目指す
▼第一段階 篳篥を習う時、普通は誰かに指導してもらいます。唱歌を覚える。手付けを覚える。音階名を覚える。楽器を吹いて唱歌通りに篳篥で演奏する。多分、この手順でしょう。 そうした時、新しいリードを使うと、音すら出ないこともあります。結局、新しいリードを薄く削って鳴らすか、指導している人の吹き潰したような柔らかいリードをもらい、それで演奏するかでしょう。そうして初めて、唱歌で覚えた音程と篳篥で演奏する音程とが一致し、唱歌を篳篥で演奏するとこうなるのかということを経験するのです。つまり、音が分かるようになるのです。それ、以降はこの繰り返しです。 初心者が使うリードは音が出ないことには、教えるほうも指導できません。最初は堅いリードを吹くのは無理ですから、柔らかいリードでとりあえず指導するのです。この段階の経験では、リード作りは無理です。
▼第二段階 次第に音も覚え、曲も平調を終えて壱越調など他の調子を習うに従い、自分でリードを購入してそれを吹くようになります。この段階で、第一段階の経験が生きてきます。
▼第三段階 多くの経験を通して、リード作りの基礎知識が身に着きます。リード作りを覚え、数をこなすうちに、削りができるようになり、知識も豊富になっていきます。 演奏面では、管絃以外の舞楽や謡物も吹くことが大切です。
▼第四段階 以上のような段階を経て、良く鳴るリード・大きな音がでるリード・長持ちするリードなど良いリードとはどんなものか? を試行錯誤するのです。 最終的には、時間をかけて堅いリードを柔らかく吹き込んだものが、長持ちもして大きな音がでて、良く鳴るリードであると、身をもって気づきます。
以上のような段階で篳篥を習うことが理想ですが、そこまでできる人はそう多くはいません。だいたい、二段階止まりが多いです。 その理由は、良き指導者が少ないことや、宮内庁の先生方に指導していただく機会が少ないこと。また、CDやテープや録音されたものから音を取り、生の実際の演奏がどんなものであるのかというのを知らないで、CDやテープで練習するからです。それらは、一応の手がかりとはなりますが、頼りすぎると本質を見失うことになりかねません。 たとえは、篳篥の音は綺麗な柔らかい優しい音が良い音だ、と思う人がいるなら、それは篳篥自体の演奏を十分に理解していない人です。 では、篳篥の音とはどのようなものなのか、簡単に説明すると次のようになります。
(1)管絃の演奏 四拍子ものと只拍子ものの押しの違い 只拍子の方が少し強く押します (2)舞楽の演奏 序吹(じょぶき)や破や急など 管絃よりも押しが強くなります (3)高麗楽 管絃とは、拍子の取り方が違います。なめらかな流れるような吹き方で高麗笛との掛け合いで吹いていきます。 (4)謡物 歌の補佐として、付けものと呼びます。歌にあわせて、邪魔しないように篳篥独 特の奏法は控えて吹きます。 (5)神楽歌 篳篥の演奏の中で一番難しいものです。非常に繊細な吹く方をします。神楽笛との掛け合いで吹いていきます。大きな音より、細く繊細な音で吹きます。
このように、篳篥にはいろいろな吹き方があるのです。この順序はリードが柔らかくなる順番に対応しています。管絃で柔らかくなれば舞楽へ、舞楽で柔らかくなれば高麗へ、高麗で柔らかくなれば謡物へ、謡物で柔らかくなれば神楽歌へと流用するのです。 その後が初心者が使用するという具合です。 【3】リードには二種類ある リードを作る人には、二つのタイプがあります。
ア、簡単なすぐ鳴るリードを作る人 柔らかい材料で、鳴るリードを削る。 これは、その都度その都度作らなければ鳴らない。また、【2】で述べた篳篥の演奏の違いは出しにくい。大きな音は出ない。音に幅が無い。
イ、時間をかけて堅いリードを吹き込んで柔らかくしてから吹く人 何カ月かかけて、お茶につけながら、少しづつ削り、リードを鳴る状態に仕上げる。 堅い材料だから時間がかかるが長持ちする。【2】の段階的演奏ができる。大きな音が出る。音に幅がある。
経験の浅い人は、どちらかというとアを選びがちです。しかし、古来からはイの方法です。 私はなにも、初心者はリードを作るなと言っているのではありません。さらに上を目指して練習を重ね、多くの知識と判断力を身につけてもらいたいと願っています。
(by きっさん)
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