「延喜楽(えんぎらく)」

【曲の由来】

 延喜楽は、外来からの伝来曲ではありません。醍醐天皇のころに、楽を藤原忠房が作曲し、舞を敦実親王が作り、年号をもって曲名としました。ちなみに延喜とは、901年から923年間を言います。番舞は万歳楽です。

【右方文舞(うほうぶんのまい)】

 延喜楽・古鳥蘇(ことりそ)・進走禿(しんしょうとく)・仁和楽・進蘇利古(しんそりこ)の五曲は右方文舞に属し、使用する装束は右方襲装束を用います。つまり、舞服は同じものということです。

【右方襲装束(うほうかさねしょうぞく)】

 襲装束とは、白衣を着た上に、次の順番に装束を着付けていきます。
1、(はかま・差貫〈さしぬき〉ともいう) 右方も左方も同じです。
2、踏懸(ふがけ) 袴の上に足に着装するものです。色は袍と同色の青で作られます。
3、下襲 (したがさね) 地の生地は同じですが、表紋と飾りの刺繍と襟の縁取りが左右では違います。
4、半臂(はんぴ) 下地の黒羽二重は同じですが、表の紋様および襟の刺繍色が左右では異なります。
5、忘緒(わすれお) 左右で異なります。色柄は半臂に同じく作ってあります。
6、(ほう) 青地精好紗に瓜紋が刺繍してあります。袖が広く作ってあります。それにより非常に優雅な舞姿に見えます。ちなみに左方襲の袍は、紅地精好紗地です。右方の青とは対照です。
7、銀帯(ぎんたい) 革製。本手と上手の二枚が繋げてあります。左方は金帯です。
8、最後に鳥甲(とりかぶと)を付けます。これは、和紙の張り合わせで、鳳凰をかたちどって作られたと言われています。右方は踏懸・半臂・忘緒・鳥甲は使う生地が同色同一を使用して作られます。また、右方も同じです。

右方襲装束(舞は振鉾〈えんぶ〉)

【舞い振り】

 この舞は、右方文舞では代表的作品で、慶賀の時に執り行われます。
 舞の大きな特色は、左右の手を開き、一直線に左右どちらかの手を下ろす舞振りがあり、これが非常に面白いです。
 左方と右方の舞振の大きな違いは、足使いにあります。左方は、足を摺る前に摺る方の足を少し前に振り上げますが、右方は足を摺る前に摺る方の足をつま立ててから摺ります。直接摺る足振りは、左方です。一度、足を立てて摺る方は右方です。この足振りは、平舞だけでなく、走舞においても同様です。
(by きっさん)
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